一般財団法人 持続性推進機構
理事長 森本 英香
(早稲田大学法学部教授・元環境事務次官)
ご挨拶
2020年に当財団は10年の節目を迎えました。この節目の年に新型コロナウィルス感染症により世界中では、社会・経済が、さらには日常が「想定外」の混乱に巻き込まれました。
すでに世界は「ニューノーマル(新しい常態)」へ大きく舵を切り始めています。わたしたちは、コロナに限らず気候変動や災害など「想定外」の事態に対処しながら、待ったなしのパラダイムシフトを加速させなければいけません。
当財団は、持続可能な社会を実現するために、環境・社会課題を見出し解決することが経済・社会の成長にもつながることが「あたりまえ(常態)」となる社会づくりをミッションとして事業に取り組んでいます。
わたしたちのミッションの先には、「環境」が主流化した、すべての人が安心して暮らせる社会をビジョンとして描いています。
当財団では、多様性と自律性をもったコミュニティの実現、地域社会のつながりの再構築のために三つの柱を軸として事業を展開しています。
第一の柱が「環境経営の普及」です。環境省策定の総合環境マネジメントシステム「エコアクション21認証・登録制度」の普及を通じ、地域経済・社会の主役である中小事業者の環境経営の環を広げます。エコアクション21環境経営の広がりを通じて、国連が定め世界共通の目標である「SDGs(持続可能な開発目標)」に寄与するとともに、中小事業者の経営力強化・さらなる発展を応援します。
第二の柱は「社会課題の発見と解決」です。環境・社会課題を見出し持続的なビジネスを通じて解決しようとするミレニアル世代・Z世代を発掘し、彼らによる「新しいあたりまえ」の創発を応援します。また、「福島県にわくわくを!」を合言葉に、東京電力福島第一原発事故により避難を余儀なくされた地域での未来志向の多様な現地での活動を応援します。
そして第三の柱が「多様性の確保」です。企業と協働して都市近郊の里山保全活動を行っています。いきものとまちとひとの多様性を次世代に伝えていくとともに、企業による多様な人づくりの取組を発信し、その環が全国に波紋のように広がるのを応援します。
わたしたちは、次の10年に向けて皆様とともに、着実に歩みを進めてまいります。